日本語TOPタツ青木が語る時フリージャズはプロレスだっ!(2)

[答] フリージャズはプロレスなのだっ!!

青木達幸

1 [序] フリージャズはプロレスかっ?

お答えしましょう。そうです。
フリージャズはプロレスと似ています。


僕のようにプロレスラーになれなかった男はフリージャズをやっています。プロレスは格闘技であり、フリージャズも格闘技なんである。

フリースタイルの音楽は何をやってもいいのであるが、めちゃくちゃではない・・・・よく誤解されることだ。プロレスも何をやってもいいのである・・・反則だって5カウントまではいいのだし、最近では凶器使用可の試合だってある・・・でも町の喧嘩とはちがってめちゃくちゃではないのである。

一見めちゃくちゃ風でもリングの上で決着をつけるという制約があるのだ。フリージャズも何をやってもいいが、最終的には音楽を作り上げなくてはいかんという制約があるのである。 プロレスは鍛え上げられた肉体で支えられ、フリージャズは鍛えぬかれたコンセプトで支えられているのである。

勿論のことながら、肉体を鍛えるにはトレーニングが必要である、基礎があるからこそ鍛えた肉体を使ってのパフォーマンスが可能となる。ミュージシャンも同様に基礎トレーニングがあるからこそ自由に技を使えるようになるのです。

プロレスの試合には即興性がなくてはなりません。つまりインプロビゼーションであります。ジャズの世界もこのインプロビゼーションが基本です。
普段練習として行われているプロレスの技は、試合においては様々なバリエーションで即興性をもって使われます。 普段練習として演奏されているメロディーやパターンもステージでは様々形で表現されています。各技の即興性を十分に対応できてこそ、一試合一試合ごと、ひとステージひとステージの面白みがでます。

基本が十分でない場合には、技ができても、それは感性としては表現されません。自由ではないからです。

相手の技を受け、技を返し、相手の音を受け、音を返し、優れたプロレスが、優れた音楽が生まれるのです。


よく基礎のできていないミュージシャンがフリースタイルをやると、最初の一曲ぐらいは面白くてもその後が続かず、アイデアが不足してしまい感性のない繰り返しになってしまうことがあります。 それは単にコンセプトがない、技のみの音になってしまうからです。そして相手の技を受けることもできません。攻撃のみの方法は一方的でコミュニケーションとして成立しません。プロレスも同じです。コンセプトのない柔軟性のないレスラーは演舞的なファイトはできても、試合はできんのです。

喧嘩とプロレスの大きな違いは、攻撃と受け身が同居しているということです。

プロレスの見方を知らない人はよく
「どうして待っているんだ・・・・逃げればいいのに」と言います。
例えばコーナーロープ最上段からのボディプレスや雪崩式ブレーンバスターを見たときにそう言います。

しかし、しかし、しかしそれがそれがそれがそれが
それがプロレスなんだぞ君たち!

相手の技を受けるんだ、レスラーは!
そしてそれをお互いに試し合って、柔軟性と即興性をもちながら力尽きた方が負けるんだ。そしてパワーのあまっているほうが勝つんだ!!

フリージャズだって相手の音を、受けるんだ、力一杯な!
自分の音を出すだけじゃなくてな・・・・・受けるんだ。そしてそれを返すんだ。ソロの世界はこれを一人で観客と一緒にやるんだ!!

・・・であるからしてフリージャズはプロレスと似ています。

(終)



日本語TOPタツ青木が語る時

初出:96/08/27 フリージャズはプロレスかっ?



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